難を逃れた果実漬ける 中野BCで梅酒初仕込み

「梅の日」の6日、和歌山県海南市藤白の酒造メーカー中野BC㈱(中野幸治代表取締役社長)でことし初めての梅酒の仕込みが行われ、みなべ町の契約農家から仕入れた南高梅約8・5㌧、約22万粒を漬け込んだ。
梅酒杜氏の藤原弘彰さん(49)をはじめ、9人の職人が摘みたての梅を水洗いしてあく抜きをした後、醸造アルコールと砂糖が入った巨大熟成タンクに梅を漬け込んでいった。
南高梅は約4㌢以上の実で熟した手摘みのものを使用。ことしは、ひょう被害の影響がありながらもJAと連携し、梅を確保した。
コンテナいっぱいの梅が運び込まれると、職人らは高さ4・2㍍、直径2・6㍍の琺瑯(ほうろう)タンクの上から投入し、蔵内は甘い香りに包まれた。
藤原杜氏は「4月にひょうが降り心配していたが、傷も少なく実太り良好でエキスがたっぷりの難を逃れた青梅が入荷し、初仕込みを迎えることができた。農家さんが苦労して丁寧に育てた貴重な梅をおいしく仕上げたい」と話した。
仕込んだ梅酒は11月末に新酒「香る南高NOUVEAU(ヌーボー)」として出荷し、2026年秋ごろには国内の他、中国やニュージーランドなど約25カ国に出荷する予定。