金芽ロウカット玄米が特許取得 東洋ライス

東洋ライス㈱(和歌山市黒田、雜賀慶二社長)が開発した「金芽ロウカット玄米」が、特許を取得した。豊富な栄養成分を損なうことなく、おいしく食べられるようにした画期的な商品に加わったさらなる評価に、雜賀社長は「弊社は技術の会社。社会に役立つ発明を研究し、(製品を)世の中に広げ、国民の皆さまの健康増進に役立ちたい。医療費を少しでも抑えるため、今後も普及活動に努めていきたい」と意気込みを語った。

金芽ロウカット玄米は、玄米の表面を覆う防水性が高い「ロウ層」を均等に除去する独自加工技術により生まれた商品。玄米の栄養成分はほぼそのまま残し、炊きやすく消化性にも優れている。白ご飯に比べ、糖質32%オフ、カロリー30%オフに抑えられている。

2015年3月の発売以来、毎年出荷量を増やし、18年2月からは36カ月連続で玄米商品カテゴリーの売り上げ1位を誇る商品に成長。販売金額は売上2位の商品に約3・2倍の差をつけている。

今回の特許は、製造機器や製法の特許ではなく、金芽ロウカット玄米というコメ及びその飯そのものの特許。同社によると、ロウ層を除去した商品は他にもわずかにあったが、均等に除去していないため炊くと割れや曲がりなどが発生し、硬くて食べにくく、従来の玄米ごはんの域を脱したとは言えないものだという。

雜賀社長は東京都内で開かれた報告会で「ようやく特許が認められた」と笑顔。14年12月の特許出願から取得まで約6年が経過したことにふれ、「発明はすごく苦労したが、特許を取るのもこんなに大変だとは」としみじみと話した。

阪本哲生副社長は金芽ロウカット玄米について、「玄米と同等の栄養価があり、白いご飯よりもカロリーや糖質が少ない」と説明。「白米と同じような感覚で召し上がっていただける。主食として毎日継続的に食べるにはおいしさが重要」と話し、味への強いこだわりをのぞかせた。

また、米の需要が減少する中、発売以来、右肩上がりで売り上げを伸ばしているまれな商品であり、コロナ禍に伴う巣ごもり需要の増加があった一部の食品とは一線を画していることも強調され、雜賀社長は「コロナとは関係ない商品特性となっている」と胸を張った。

 

特許取得を報告する雜賀社長