病床の逼迫に危機感 入院は過去最多の150人
和歌山県は5日、県内の10~80代の14人が新たに新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表した。県内の感染者は累計1364人、入院中の患者は病床数330に対し過去最多の150人に達し、感染者が紀北に集中しているため、県北部の病床は逼迫(ひっぱく)してきており、県は危機感を示している。
14人のうちすでに感染が発表されている人の濃厚接触者が5人、新規が9人。保健所管内別の内訳は、和歌山市10人、橋本2人、海南1人、県外在住で同市に帰省中が1人。年代別では、20代が4人で最も多く、50代3人が続き、30代と60代が各2人、10代と70代、80代が各1人となっている。
濃厚接触者では、紀の川市長田中の機械製造業、㈱メイワの従業員1人の陽性が判明。同社内の感染者は5人に達し、県内32例目のクラスター(感染者集団)に認定された。
変異株による感染者は93人のままで新たな確認はなかったが、うち1人のウイルスがゲノム解析によりイギリス型と判明し、同型の感染者は23人となった。
変異株による感染者は、PCR検査で2回陰性を確認してから退院となり、通常より基準が厳しいため、変異株による感染の増加が、入院患者が過去最多となった背景にある。
県福祉保健部の野㞍孝子技監は、現状で最も警戒しているのは病院内や福祉施設内での感染の発生だとし、「発生すれば病床の大変な逼迫につながり、非常な危機感を持っている」と述べ、対象施設での感染防止対策の強化を求めた。