対面入社式は意見二分 コロナ影響の企業調査
新型コロナウイルスの企業活動への影響に関する東京商工リサーチの第14回アンケート調査(3月1~8日)で、4月の入社式を対面で開催するかしないかの判断は各50%に二分された。「影響はない」と答えた和歌山県内企業は、前回と同水準の3・3%にとどまっており、感染第4波が拡大する中、中小企業の苦境は続いている。
調査はインターネットで実施し、有効回答9832社のうち県内の60社分を集計した。
県内の企業活動への影響は、「継続している」の66・7%(40社)を最多に、「今後出る可能性がある」が25・0%(15社)で続き、「影響が出たがすでに終息した」が5・0%(3社)、「影響はない」が3・3%(2社)だった。
2月の売上高について、前年同月を上回った企業は40%(20社)。下回った企業のうち前年を100とした場合に90~99が26%(13社)、80~89が16%(8社)などで、半減以下の企業はなかった。
2020年度の経常利益の見込みは、黒字が53・5%(31社)で半数を超え、次いで損益拮抗が32・8%(19社)、赤字は13・8%(8社)にとどまった。
国や自治体、金融機関の各種給付金や融資などの支援策を利用した企業は73・3%(44社)で、今後利用する可能性があるとした企業5・0%(3社)と合わせて前回調査(2月、72・9%)を上回る78・3%(47社)。利用予定はないと答えた企業は21・7%(13社)で、業種別では製造業が6社、卸売業が4社で多かった。
感染収束までの期間が長引いた場合、廃業を検討する可能性があるとした企業は1社(1・8%)にとどまり、検討時期は「13~24カ月」だった。回答できないとした企業も5社あった。
4月の入社式については、入社予定者がいない企業が37社で最も多く、回答できないが3社。「対面で開催する」と「4月入社予定者はいるが開催しない」は各10社で、対応が割れた。
3月中旬以降、第4波の感染が拡大しているが、県内では各種支援策が奏功し、新型コロナ関連の倒産は4社(3月31日現在)にとどまっている。一方、運転資金の円滑な供給や与信枠拡大に支障が生じた場合、経済の再活性化は阻害されかねず、同社は「現在の資金繰り支援を継続しつつ、収束後の円滑な経済再開を見据えた取り組みに切れ間が生じないように、企業と金融機関、政府、自治体は再確認する必要がある」としている。