38人感染、ステージ3に 新宮でクラスター

和歌山県は7月30日、県内で小学生から50代の38人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。このうち2人は新宮市谷王子町のスナック「クラスA」の従業員と利用客で、同店関係の感染が計6人となり、62例目のクラスター(感染者集団)に認定された。

38人の保健所管内別内訳は、和歌山市19人、岩出7人、橋本4人、湯浅2人、新宮2人、県外4人。重症者はいない。

同店のクラスター6人は従業員と利用客が各3人で、客のうち2人は三重県在住。飲食やカラオケを楽しみ、マスクを外すこともあったという。県は23、24、26日に同店を訪れた人に対し、症状の有無にかかわらず保健所への連絡を求めている。

29日に発表された海南市下津町の企業でのクラスターは、検査中だった1人も陽性となり、従業員7人全員の感染が確認された。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は県全体で16・5人となり、感染急増(ステージ3)の目安15人を超えた。保健所管内別では和歌山市が21・6人、新宮が24・0人で、爆発的な感染(ステージ4)の目安25人に迫っている。

県内の感染者は累計2937人、入院中の患者は159人(うち重症者8人)、病床使用率は39・8%。変異株スクリーニングによる陽性者は1025人で、うちデルタ株(インド型)が44人(8人はゲノム解析で確定)となった。

県庁で記者会見した県福祉保健部の野㞍孝子技監は、若い世代を中心に、県外に出掛けたり、県外から県内を訪れたりし、集まって複数の感染者が出ている例もみられると指摘。「ここで感染が爆発すると8月は大変なことになる」と危機感を募らせ、感染拡大地域との不要不急の往来を控え、やむを得ず出掛ける場合も会食や接待を伴った飲食はしないよう呼び掛けた。