大規模災害の対応力を養う 消防学校が訓練
和歌山県消防学校(和歌山市加太)の初任教育第45期生52人(うち女性8人)は2日午前から3日朝にかけて、市内で大規模災害時を想定した長時間活動や土砂災害対応などを行う「大規模災害対応訓練」を実施した。
45期生はことし、県内の16消防本部で採用され、4月から約6カ月間の初任教育を受けている。卒業まで1カ月を切り、現場訓練の集大成として、近年増加傾向にある大規模災害に対応できる能力の構築を目的に同訓練を実施。
訓練は、2日未明から県北部を中心に時間雨量100㍉を超える大雨により、同市内で道路冠水、床上浸水、土砂崩れなどが多発しているという想定で、約24時間かけて山岳搬送や土砂災害対応、救急救助対応、建物火災対応などの各種任務を遂行する。
消防学校をバスで出発した学生らは、一次集結場所として指定された県庁南別館に向かい、同館で細川一也県危機管理監から「気力、体力の限界に挑み、自分自身を鍛えるとともに友情を深め、無事に達成してもらいたい」と激励を受けた。
学生らは南別館から同市狐島の北消防署を経由して、県消防学校までの徒歩訓練を開始。45期生の山本一樹さん(23)は「南海トラフ地震の現場を想定しながら緊張感を持って取り組みたい」と意気込み、上野晴夏(はな)さん(19)は「地域住民に信頼されるような消防士になりたい」と話した。
学生らを見送った脇田佳典校長は「安全管理が一番大切なので、無事にけがなく終了し、県民を救う使命を全うしてほしい」と期待を込めた。