穏やかさ日本画に 宮嵜さんら院展作家三人展

和歌山市紀三井寺の日本美術院院友、宮嵜朋子さん(79)は22日まで、同じく院友の橋本市の近江友紀子さん(74)、日高町の鈴木薫さん(71)と共に、「院展作家日本画三人展」を和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国2階ギャラリー龍門で開いている。

ともに同市の日本画家、清水達三さん(日本芸術院会員、日本美術院理事、同人)に師事し、切磋琢磨(せっさたくま)しながら活動してきた。3人での展示は初めて。

近江さんはショーウインドーへの街の映り込みを描いた作品などを、鈴木さんは皇居の櫓(やぐら)と近代的な建物を描いたものなどを出品。会場には小品から大作まで計45点が並ぶ。

宮嵜さんは40代半ばに成人学校で日本画を習い始め、1996年に春の院展初出品で初入選。2000年には院展本展に初入選し、以後5回の入選を重ね02年に日本美術院院友に推挙。「ここまでやれるとは思いませんでした。次々と門戸を開き導いてくださった先生のおかげ」と振り返る。

院展入選作「明けゆく」は、地元の浜の宮の静かな海岸に広がるハマヒルガオと、そこに身をかがめる女性を当時の心境を重ねて描いたという。

その他、牡丹や椿など身近な庭の花を題材にし「絵を通じて優しさや穏やかさを届けられれば。人肌のようなものを大切にしたいですね」と笑顔。「刺激し合いながら共に歩んできた仲間の存在は大きい。絵に対する向き合い方も違い、それぞれの作品を楽しんでもらえれば」と話している。

午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。

それぞれの院展入選作の前で(左から)鈴木さん、宮嵜さん、近江さん

それぞれの院展入選作の前で(左から)鈴木さん、宮嵜さん、近江さん