自然と向き合い撮影 セイカのカレンダー完成

和歌山市の化学メーカー、セイカ㈱(竹田純久代表取締役社長)の2022年版カレンダー「木の国悠久の大地」が完成した。

撮影はことしも、本紙で「木の国和歌山」を連載中の竹田元則専務(65)が手掛けた。竹田専務は、「木の国なので、木々のたくさんある景色を選んだ」と話し、表紙には新宮市神倉神社の社を選択。春に撮影された断崖に建つ社と、緑のコントラストが美しい木々や桜を写した一枚。

古座川の一枚岩や田中神社の社など合計7点を掲載。カレンダーには撮影時のエピソードも添えられている。

竹田専務は「良いアングルを選び、じっくりと構えるタイプ」だといい、蛇腹が特徴の大判カメラで約10年撮影していたことから、「全てマニュアル操作の大判カメラは1枚撮るのに30分から1時間かかる。フイルムも高額で妥協してられなかった。納得いくまで構える癖が染みついてる」と振り返る。

写真を撮る際に大切にしていることは「自然(被写体)と対峙(たいじ)すること」と、「歴史を大事にすること」だという。「ひらめきがあったとしても、引かれるものは何か。それを思うように表現するにはどう構えたらいかを考える」と話し、歴史に関しては、「どういう森の特徴があるのかを勉強してから出発する。そうすることで少し表現のできる写真が撮れる」と語る。

11、12月の「壇上伽藍の石灯籠」は、明かりの灯った石灯籠が雪景色に浮かび、神秘的な空気に包まれている。竹田専務は「石灯籠に火がともればいいな」と思い、雪の積もる中、数時間も待ち続けた。「石灯籠に明かりがともり、空が暗くなるまでの約5分が撮影のタイミングだった」と思い返した。

竹田専務は「ありふれた景色だが思いを込め、良さを切り取っている。行きたいなという気持ちになってもらえればうれしい」と話している。カレンダーは、国内外の同社の取り引き先などに贈られる。

2022年版カレンダー「木の国悠久の大地」を手に竹田専務

2022年版カレンダー「木の国悠久の大地」を手に竹田専務