年頭のごあいさつ2022

相補協働で礎を築く

新年おめでとうございます。令和4年壬寅(みずのえ・とら)の新春を迎え、読者の皆さまに謹んでごあいさつ申し上げます。
壬は「妊」に通じ、寅は螾(ミミズ)に通じるという意味を持ちます。壬寅は厳しい冬を越えて、これから華々しく芽吹き始める時を指します。この厳しい状況から成長の礎を築く1年にしたいものです。
昨年は一昨年に引き続き、新型コロナウイルスに苦しめられました。ニューノーマルと称された新たな生活様式にも慣れてきましたが、膝を突き合わせて話すことがなくなり、コミュニケーションが思うように取れなくなってきたと感じています。マスクをしなくてもいい状況に早く戻ってほしいものです。
そんな中、弊社は本年7月に創刊30周年を迎えます。われわれの業界は新聞離れが年々厳しい状況に陥り、転換期に来ています。これからの地域に必要とされる次代の地方新聞社としてあり続けるためには、今までと同じことをしているだけでは生き残れません。時代の流れに沿いながら地域に合った紙面づくりや、事業展開が求められています。
読んで地域を知る「リードローカル」をもっと意識し、子どもたちに地元の素晴らしさを知ってもらい、住んでいる人が地域を豊かにする「ローカルファースト」を普及していかねばなりません。その役割を果たすことが、次代の地方新聞社である証明だと思います。
昨年から新規事業として始めたインバウンド向けの観光事業も積極的に準備を進めています。これは、開催期間中に2800万人が訪れるといわれている2025年の大阪・関西万博を見据えた事業です。一人でも多くの人を和歌山に誘客できる事業になれば幸いです。
それらの実現のための礎となる本年のスローガンは「相補協働」です。「相補」とは、互いに足らないところを補い合うことを意味し、「協働」とは、立場や活動は異なっていても同じ目的のために力を合わせることを意味します。削り合う議論よりも補い合う議論で前へ進み、地域の皆さまの役に立つ新聞社を目指してまいります。
最後になりましたが、ご愛読いただいている皆さまのご健勝、ご多幸を祈念申し上げ、新年のあいさつとさせていただきます。

 

㈱和歌山新報社 代表取締役社長 津村 周