過去最多93人がコロナ感染 クラスター2件

和歌山県は12日、県内で幼児から80代の93人が新型コロナウイルスに感染し、一日当たりの過去最多を更新したと発表した。新たに県内95、96例目のクラスター(感染者集団)2件も認定。年末年始の移動やグループでの飲食などが原因とみられる感染が多く、県は基本的な感染予防対策の徹底や、症状があれば直ちに医療機関を受診することなどを改めて呼び掛けている。

93人のうち48人は感染が判明している人の接触者で、新規は45人。保健所管内別の内訳は和歌山市41人、海南1人、岩出18人、橋本2人、湯浅5人、御坊1人、田辺13人、新宮4人、県外8人。

95例目のクラスターは、岩出保健所管内での成人式後の同窓会。9日の式典後、29人が同管内の飲食店で会食し、10人が陽性となった。2次会などで他店での飲食やカラオケもあったとみられ、接触者や家族ら検査対象者は100人近くに達する可能性があるという。

96例目のクラスターは、和歌山市の県立和歌山北高校女子バレーボール部。8日に校内で、大阪など県外の3校、県内の1校と練習試合を行い、11日に参加者に微熱や咽頭痛が発覚し、検査で部員10人のうち6人が陽性と分かった。教員や他校の生徒らの検査を進めている。

発表済みのクラスターでは、紀伊田辺ライオンズクラブの新年例会関係で会員や会場の飲食店従業員ら7人の陽性が確認され、感染者は計14人となった。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は県全体で23・6人。保健所管内別では和歌山市が30・4人、岩出が33・7人、田辺が25・5人で、爆発的な感染を示すステージ4の指標の25人を上回っている。

県内の感染者は累計5528人、入院患者は231人(うち重症1人)で、病床使用率は39・6%に急上昇。県は現在の病床数583を最大の620まで順次増やす予定で、宿泊療養などに使用できるホテルも追加で1カ所確保する準備を進めている。

また、オミクロン株の疑いがある陽性者は92人に増え、62%はワクチンを2回接種済み。同株は感染力が強く、ワクチンを接種していても感染の恐れはあり、救急受診による陽性判明も増えている。

県福祉保健部の野㞍孝子技監は、通常医療との両立で医療体制に大きな負担がかかる状況になっていると指摘。「院内感染などが起きると命の保証ができなくなる。感染しないことが最も重要で、あなどらず、予防対策を徹底してほしい」と呼び掛けた。