脱炭素で意見交換 穂坂環境相政務官来県
穂坂泰環境大臣政務官が4月29日、来県し、和歌山県内自治体や経済界の代表らと脱炭素や環境政策について意見交換した。
意見交換会は和歌山市のホテルグランヴィア和歌山で開かれ、県内から仁坂吉伸知事、尾花正啓市長、久留米啓史日高川町長、堀順一郎那智勝浦町長、勝本僖一県商工会議所連合会会長、原口裕之紀陽銀行頭取が出席。
国は気候変動の原因である二酸化炭素(CO2)排出量を2030年に13年度比46%減、50年までに実質ゼロとする目標を掲げている。
仁坂知事は、県土の77%を森林が占め、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を取引できる形にする「カーボンクレジット」が拡大すれば、吸収量増加につながる大きな潜在能力があることなどを紹介。各市町長はそれぞれの自治体の取り組みを語った。
勝本会長は、脱炭素の取り組みの重要性は十分理解しているとした上で、ガソリン車から電気自動車(EV)への切り替えなどに伴う産業界への影響に懸念を示し、切り替えるとどのくらいの電力量が必要となり、その発電はどう行うのかなど「具体的な数値を国が示さなければ、事業者側には努力の仕方が分からない」と指摘した。
穂坂政務官は「われわれの努力不足で、なぜ脱炭素が必要か十分に伝わっておらず、どれくらい(取り組みが)必要なのかガイドラインが出せていない面がある」とし、「頂いた意見にしっかり向き合い、地域の特性に合わせた脱炭素の取り組みを支援していきたい」と述べた。