初めて10歳未満が死亡 新規感染1330人
和歌山県は28日、新型コロナウイルスに感染した10歳未満の小学生の女子児童を含む3人が亡くなり、過去2番目に多い新規感染者1330人(前週木曜比54人減)が確認されたと発表した。県内で10歳未満の子どもの死亡は初めて。
女子児童は基礎疾患があり、26日に発熱のため医療機関を受診し、27日に入院したが、様態が急変して亡くなった。新型コロナが直接死因となった。
和歌山市の100歳代と90歳代の女性も死亡した。100歳代女性はクラスター(感染者集団)が発生した介護老人保健施設の入所者で、新型コロナが直接の死因。90歳代女性の直接の死因は基礎疾患だった。
新規感染者1330人の保健所管内別内訳は、和歌山市700人、海南96人、岩出128人、橋本104人、湯浅84人、御坊46人、田辺94人、新宮70人、県外8人。海南と岩出は過去最多を更新した。
新規クラスターは3件を認定。場所と感染者数は、516例目が田辺管内の運動クラブで所属の中学生7人と保護者1人、517例目は和歌山市の小規模多機能型居宅介護事業所で利用者6人、518例目は岩出管内の有料老人ホームで入居者14人だった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比5・8人減の816・5人で10日ぶりの減少。保健所管内別では海南の883・5人、岩出の548・9人の他、橋本、御坊、田辺、新宮が過去最多となった。
県内の入院者数は373人、重症者は県基準で40人、国基準の該当者は2人、肺炎患者は54人。自宅やホテルでの療養者は6176人。病床使用率は70・5%で、168日ぶりに70%を超えた。
県福祉保健部の野㞍孝子技監は、初めての子どもの死亡、高齢者施設でのクラスター続発などの状況について、「感染者が急激に増え、弱い人に感染が及んでいる」と述べ、一人ひとりが感染予防対策を徹底し、感染拡大に歯止めをかけることが、重症化リスクの高い人の命を守ることにつながると強調した。