県町村会が岸本氏の推薦決める 知事選

和歌山県内21市町村でつくる県町村会(会長=岡本章九度山町長)は8日、和歌山市内で臨時理事会を開き、任期満了に伴う知事選(11月10日告示、27日投開票)で、国民民主党を離党し、衆院議員(和歌山1区)を辞職した岸本周平氏(66)を推薦することを決定した。

知事選を巡っては、岸本氏が5月に立候補を表明し、現職の仁坂吉伸知事が6月県議会で5選不出馬を明言。今月3日には自民党県連が、和歌山市出身で総務省から出向中の青森県総務部長、小谷知也氏(43)の推薦を決めている。

臨時理事会には9町長が出席した。出席者によると、岸本氏は県内市町村長への訪問などを精力的に続け、すでに支持に傾いている町村長が多くいる中、自民県連の決定を受け、県連の国会議員などから町村長に小谷氏への支援を求める「プレッシャーが掛かりだした」。町村長が「股割き状態」になっているため、町村会として知事選の対応を決めるため、臨時理事会の開催に至ったという。

理事会の出席者は事前に各郡の意見を聞いて持ち寄った。岸本氏については「人柄もよく分かっているし、良いのではないか」など支持する声が大半だった一方、自民県連の小谷氏推薦については、「町村長の意見を聞く機会がなく、密室で決めたように思える」など不満の声があったという。

小谷氏から直接話を聞きたいという出席者もいたものの、岸本氏の推薦決定に反対意見はなく、岡本会長は「全員一致で岸本氏を応援すると決まった」と説明した。

町村会は過去4回の知事選で、自民に歩調を合わせて仁坂知事を推薦し、保守層などの取りまとめに大きな役割を果たしてきたが、今回は一枚岩が崩れ、保守分裂の選挙戦の様相を呈してきた。

町村会の推薦決定を受け、岸本氏は自身のSNSに「とても名誉なことです。心から感謝申し上げ、全力で頑張ります」と投稿した。

岸本氏

岸本氏