生活支える仕事すごい 児童が工事現場見学

紀の川市立田中小学校(同市打田)の2年生約90人が15日、三友工業㈱(本社=和歌山市湊)が紀の川市窪で工事を進めている西川樋門改築工事現場の見学会に参加。ショベルカーやクレーン車などの建設機械を間近で見たり、乗ったりして貴重な体験を楽しんだ。

樋門とは堤防の中にコンクリートの水路を通し、逆流防止用のゲートが付いた施設のこと。西川樋門は、大雨で紀の川の水位が上昇した際に、川の水が佐川に逆流しないように設けられている。

しかし、樋門の断面が小さく、佐川の水があふれて居住地が水害に遭う危険があることから、断面を大きくする改築工事が進められている。コンクリートの樋門と現在、掘削によって分断している堤防は、来年7月21日までに完成するという。

工事現場のすぐ近くで同校のマラソン大会が行われ、同社の職員らが懸命に走る児童らを応援したことをきっかけに交流がスタート。同校の宮本美保校長が2年生の行事「冬みつけ」で工事現場を見学したいと依頼し、同社が快諾したことで今回の見学会が実現した。

学校から工事現場に歩いて到着した児童らは、ヘルメットをかぶって準備万端。同工事の責任者で監理技術者の平井周さんが「みんなの命と家を守るための工事」などと説明し、「やる気で寒さを吹き飛ばそう」との呼び掛けに児童らは元気よく応え、見学会がスタートした。

工事現場には、「クレーン車」「ショベルカー小」「ショベルカー大」「ドローン」の四つのブースが用意され、グループごとに児童らは各ブースを回って、さまざまな体験を楽しんだ。

40㍍もの高さのあるクレーン車を間近に「かっこいい」と目を輝かせた児童らは、ショベルカーの運転席に座り、重機の操作も体験。空高く飛ぶドローンで小学校を上空から眺めたり写真を撮ったりと、貴重な体験に歓声を上げた。

児童らは「楽しい」と終始笑顔で過ごし、同社の職員や協力会社の作業員ら15人も目を細めた。平井さんは「『面白い』『すごい』など、子どもたちの素直でリアルな声を聞いてあったかい気持ちになった。やって良かった」と話し、「この経験をきっかけに、若い作業員が減っている建設業に少しでも興味を持ってもらえれば」と願った。

ドローンを飛ばし上空から小学校を見る児童たち

ドローンを飛ばし上空から小学校を見る児童たち