宇宙にわくわく 智弁小で国立天文台出前授業

国立天文台重力波プロジェクト推進室助教のチン・タンさんが22日、和歌山市冬野の智弁学園和歌山小学校を訪れ、3~6年生の児童ら285人に出前授業「ふれあい天文学」を実施。児童たちは壮大な宇宙の神秘に思いを膨らませた。

国立天文台の教育・アウトリーチ事業の一環。2010年度から始まり、例年、国立天文台の天文学者ら40人余りが講師として、国内外の小中学校を訪問したり、オンラインでつながったりし、天文学や宇宙についての出前授業を行っている。

同校では毎年夏に天体観測会を開いているが、新型コロナウイルス感染症対策のため、3年ほど開催できていない。児童らが日頃の学習をより深める機会を模索する中で、同校で理科を担当する宮井健至(たけし)教諭(24)が同出前授業を知り、応募。実施校に選ばれ、同日同校の建学記念講堂で出前授業が開かれた。

チンさんは「くるくると回る宇宙」をテーマに、クイズを織り交ぜながら授業を進め、児童らは楽しみながらゼロが16個の「光年」や、21個の「パーセク」などの天文単位や、重力などを学んだ。

質疑応答では「生物が住める星はいくつあると予想しますか」との質問に対し、チンさんは「無数にあると信じている。エイリアンはたくさんいると思う」と回答。専門家の見解を聞き、児童らは宇宙への興味や関心をより深めていた。

参加した児童らには、星や星座、星雲などがどこにあるかを知るのに役立つ、国立天文台の「星座早見盤」がプレゼントされ、5年生の加納恒和(つねかず)さん(11)は「星座早見盤を使って星を見てみたい」と笑顔で話した。

宮井教諭は「宇宙に興味を持っている児童も多いので、詳しい話を専門家から伺う機会を持つことで、より興味・関心を広げてもらいたい」と期待した。

児童らに星や宇宙について話すチンさん

児童らに星や宇宙について話すチンさん