福祉避難所の推進明記 和市が防災計画修正
和歌山市の防災に関する重要事項を審議する機関「市防災会議」の2022年度会合が2日、八番丁の市消防庁舎で開かれ、市の地域防災計画、水防計画の修正案を承認した。
コロナ禍の影響で対面による会議開催は4年ぶり。国や県の防災関係機関、警察、インフラや交通関係の事業者、地域団体などから委員31人が出席した。
富松淳副市長は、政府の地震調査委員会が先月、南海トラフを震源とする巨大地震の今後20年以内の発生確率を従来の「50~60%」から「60%程度」に引き上げたことにふれ、防災対策をさらに進める必要性があるとし、委員の協力を呼び掛けた。
地域防災計画の修正では、国や県の計画修正を反映する内容として、盛土の規制区域指定の推進、医療的ケアを必要とする人に配慮した福祉避難所の指定推進、避難所における性的少数者らに対する配慮の推進などを明記している。
この他、自主防災組織の強化に向けた地区防災計画の作成支援、避難情報に警戒レベル5・緊急安全確保が新設されたことの市民への普及、災害ボランティアセンターの設置・運営に関する市社会福祉協議会との連携・協力などを新たに盛り込んでいる。
水防計画の修正では、紀の川の重要水防箇所の追加、紀の川洪水予報の発表基準の追加、水防資材の備蓄状況の更新などを行うことが決まった。
また、市が被災した場合の復興の方針や実行の手順、取り組んでおくべきことなどをまとめる「事前復興計画」の策定を進め、23年度中に完成、公表見込みであると報告された。