生石高原に炎広がる 5年ぶりに山焼き

関西一のススキの名所として知られ、和歌山県の紀美野町と有田川町にまたがる生石高原で12日、5年ぶりとなる「山焼き」が行われ、一面のススキの草原が壮大な炎と煙に包まれた。

標高870㍍の山頂付近に広がるススキを焼くことで芽出しを促し、減少しつつある純粋な草原を再生、保全することを目的に、両町が2002年度から取り組んでいる。今回は、コロナ禍や天候不順の影響で18年以来の実施で、13回目となった。

春の風物詩として親しまれ、コロナ禍前は例年300人ほどの一般客も訪れていたが、今回は関係者のみでの実施。

快晴の青空と暖かな陽気に恵まれ、紀美野町の小川裕康町長らが見守る中、両町の職員や消防団員らスタッフが風下から順次点火すると、約9万4000平方㍍の草原のあちこちから、パチパチと乾いた音を立てながら炎が舞うように燃え広がり、周囲は煙に包まれた。

小川町長は「5年ぶりの山焼きに感激している。消防団の皆さんのおかげで安全に実施できた。秋のきれいなススキが今から楽しみ。来年の山焼きは一般の皆さんに見てもらえるようにしたい」と話していた。

生石高原は4月29日に山開きを迎える。登山口に整備中の新しいトイレは今月下旬に竣工の予定となっており、より登山者が利用しやすい環境が整えられる。

炎と煙が立ち上るススキの草原

炎と煙が立ち上るススキの草原