JR西の「おためし暮らし」 和歌山市が参加

JR西日本と沿線自治体が行っている移住・定住を目的とした共同プロジェクト「おためし暮らし」に、本年度から和歌山市が加わることになり、10日、市役所で記者会見が行われた。

同プロジェクトは「田舎暮らしをしてみたいが、仕事や家庭の都合で、いきなり本格移住は難しい」といった人向けに、リモートワークを取り入れながら、2週間から11カ月間、そのまちでの暮らしを試験的に体験してもらおうというもの。

都市圏に勤務する人を含む家族に地方移住実現の可能性を模索してもらおうと、2021年度に兵庫県丹波篠山市、京都府南丹市、滋賀県高島市でスタート。これまで34組が利用している。

本年度から新たに和歌山市と滋賀県甲賀市が加わり、11日から募集を開始している。

市が多様な住居を提供し、移住相談や入居中の支援を行い、JR西日本が鉄道通勤費や特急料金の支援、レンタカー割引などのサービスを用意する。おためし暮らしの住居は現在、雑賀崎、加太、新通の3カ所で、今後増やしていく予定という。

この日、同プロジェクトに参加する5市の市長とJR西日本がオンラインで共同会見を行い、和歌山市からは尾花正啓市長と、西日本旅客鉄道㈱の金岡裕之和歌山支社長が出席した。

JR西日本近畿統括本部の財剛啓京滋支社長は「5市には豊かな自然環境、歴史と文化が息づくまち並み、都市圏からのアクセスの良さがある。それをうまく活用し、連携して地方移住への動きを進めていきたい」とあいさつ。

尾花市長は「和歌山市はコンパクトなまちで生活が便利。海、山、川があって多様なアクティビティが楽しめる。さまざまな移住者への支援制度があり、移住者が増えてきている」と地域の魅力をPR。

金岡和歌山支社長は「3月から特急くろしお号が大阪駅に止まることになり、大阪中心部まで約1時間で行けるようになった。和歌山市は地方に住みながら都心に通うのにぴったりな場所。積極的にPRし、和歌山市への移住、定住が進むよう貢献していきたい」と話した。

 

和歌山への移住促進に向け協働する尾花市長㊧と金岡支店長