70年の友情に乾杯 伏虎中6期生最後の同窓会

1953年に和歌山市立伏虎中学校(現・伏虎義務教育学校)を卒業した6期生659人。卒業から70年がたち、ことし85~86歳となった旧友43人が13日、ホテルアバローム紀の国(同市湊通丁北)で開かれた5年ぶりかつ〝最後の〟同窓会に出席し、当時の面影が残る顔ぶれにほほ笑み合いながら、懐かしい青春時代の思い出話に花を咲かせた。

6期生の同窓会は1994年に初開催。以来2年に1度の楽しみとして、平均100人の旧友が遠方からも集い、竹馬の友の絆を深めてきた。

しかし、前回の2018年以降はコロナ禍で集まることができず、ようやく開催にこぎ着けた14回目の今回を、年齢なども考慮して〝最終回〟と決めた。

開会の冒頭、同窓会の垣本博司会長が「卒業からちょうど70年。今回が最後ということは非常に寂しいが、これまでに培った友情はいつまでも続くもの。どうかこの友情をもとに連絡を取り合い、いつまでも元気に過ごしていきましょう」とあいさつした。

また、これまでの会費の残金を県と関係の深いトルコ南東部地震への義援金に充てることを提案。全員一致で賛成し、後日、義援金を市に託すことが決まった。

最終回のサプライズとして、役員会は70年前の卒業式で実際に配布されたしおりの複製を用意。手書きの校歌や式次第、皆勤者、功労者の名簿が載ったしおりが配られると、参加者らは丁寧にページをめくり、懐かしそうに目を細め合った。

その後、参加者全員で鬼籍に入った旧友や先生らに黙とうをささげ、打田安成さんの音頭で乾杯。クラスごとに分かれたテーブルでは、担任教諭や学芸会についてなどの懐かしい話題で盛り上がった。

司会を務めた小野圭子さんは、同校の初代女子生徒会長。当時は全国的にも女子生徒が生徒会長に選ばれるのは珍しかったといい、「クラスのみんなが『出なさい』とすごく応援してくれた」と笑顔で振り返った。

東京都から帰郷した中尾知栄さんは「和歌山に来るまでは遠いなと思ったけど、着いたら『まだ(同窓会が)できるんじゃないの』って気がした」と寂しげ。「みんなは昔から仲良しで特別な存在。年賀状は書けるまで書く」と話し、70年来の旧友らと共にかけがえのない時間を過ごした。

あいさつをする垣本会長

あいさつをする垣本会長