「黄門様」が和歌祭へ 御三家の交流呼びかけ
水戸の御老公ことしも和歌祭へ―。14日に行われる紀州東照宮の例大祭「和歌祭」に合わせ、茨城県水戸市から、一般社団法人水戸葵社中の滑川善也代表理事(67)らが和歌山市を訪れている。昨年の和歌祭四百年式年大祭では、水戸黄門一行に扮(ふん)した行列や演劇で盛り上げに貢献し、今回は大祭の見物に来和。12日には和歌祭四百年祭実行委員会の中山勝裕委員長と共に尾花正啓市長を訪問し、徳川御三家でつながる紀州と水戸の交流推進を呼びかけた。
天下の副将軍・徳川光圀(水戸黄門)の諸国漫遊を描いた人気ドラマ「水戸黄門」の放送が2011年で終了し、若い世代には黄門様を知らない人が増えた。
これを嘆いた有志が昨年2月に結成したのが水戸葵社中。水戸黄門を通じて地域間交流を進めようと、アマチュア劇団「縁団☆水戸黄門」を立ち上げ、旗揚げ公演が昨年5月15日の和歌祭四百年式年大祭だった。
滑川さんと中山さんはSNSを通じて知り合い、お互いに徳川御三家に関わる活動をしていることが分かったのをきっかけに、和歌祭への参加が決まった。
昨年、滑川さんが水戸黄門役を務めた御老公一行は、大名行列の前を歩き、和歌山城西の丸広場では、紀州を舞台にしたオリジナル脚本の世直し劇を公演。高橋靖水戸市長から実行委員会と和歌祭保存会に宛てた感謝の書簡も届けた。
昨年の大祭は〝公式訪問〟だった御老公は、ことしはいわば〝おしのび〟での紀州入り。市役所市長室を訪ねた滑川さんは「和歌山市と水戸の徳川つながりを、民間レベルでもう一つ掘り起こしていきたい」と話し、歓迎した尾花市長は、「水戸黄門」と「暴れん坊将軍」の大ファンであることなどを紹介し、御三家の縁が再び強まることに期待を寄せた。