無心で描き癒やされて ペン画ゼンタングル
ヨガや瞑想(めいそう)のような癒やし効果のあるペン画の手法として、世界各国で認知度が高まりつつある「ゼンタングル」。和歌山県内では和歌山市の英会話講師、徳山陽子さん(47)が認定講師として、ワークショップなどを開きながらゼンタングルを広めている。
ゼンタングルとは「禅(ぜん)」と「タングル(パターン、模様)」を合わせた造語で、「タングル」と呼ばれるパターンを好きに組み合わせながら気の向くままに禅的な無心の状態で描いていく抽象画のこと。アメリカでペン画の手法として2004年に考案され、商標登録されている。
徳山さんは幼い頃からものづくりが好きで、大人になってからも時々絵を描いていたといい、17年にインターネットで偶然ゼンタングルに出合った。あるパターンが目に留まり、「これを描きたい」と調べていくうちにそれが「ゼンタングル」だと知った。
すぐさまユー・チューブで調べたり、本を購入したりしながら見よう見まねでゼンタングルを始めた。悩んでいた時期とも重なり、ヨガや瞑想にも似たゼンタングルの癒やし効果を実感。「やりたいことがすごくそこにある」と感じていたが忙しい日々で描けなくなった。
再開したのは、コロナ禍で自宅にいることが増えた21年。4年前は渡米しなければ取得できなかった認定講師の資格がZoom(ズーム)で取れるようになっていた。全て英語で行われる3日間のセミナーに参加し、22年8月に晴れて認定講師となった。
失敗はないという意味の「No mistakes(ノーミステイクス)」が合言葉だというゼンタングルの魅力は「誰からもジャッジされずに宝物を作れること」。「みんなが自分の宝物を作れるようにメソッドを伝授したい」と、現在は市内のカフェなどで2カ月に1度ワークショップを開いている。
ワークショップではゼンタングルやパターンの描き方を紹介し、8・9㌢の正方形の公式タイルと呼ばれる紙に、ペンでタングル(パターンや模様)を描いていく。
参加者からは「こんなに描けると思ってなかった」との声が多いといい、徳山さんは「今後は仲間をつくって、自分の作品だけじゃなく同じ空間で作ったみんなの作品を合わせて一つの大きな作品を完成させたい」と笑顔。
毎日ゼンタングルの〝ゾーン〟に入り、何時間も無心で描き続けているという徳山さんは、これまでに手がけた約300点の作品全てがお気に入りだといい、「自分の分身、子どものような存在」とほほ笑む。
「実際にやってみると『これか!』と分かるはず。言葉ではうまく伝わらないので、ぜひ一度体験してみてください」とワークショップへの参加を呼びかけている。
詳細や問い合わせは徳山さんのインスタグラムから。