「あら川の桃」GI登録 県内で4件目
地域の特産品をブランドとして保護する国の「地理的表示(GI)保護制度」に20日、和歌山県紀の川市の「あら川の桃」が登録された。農林水産省(東京)で同日、登録証の授与式が行われ、申請者の「あら川の桃振興協議会」(岩見豊会長)に贈られた。
県内のGI登録は「紀州金山寺味噌」、「わかやま布引だいこん」、「和歌山梅酒」に次いで4件目。フルーツでは初めてとなった。
「あら川の桃」は同市桃山町を主産地とするブランド桃で、西日本最大の生産を誇る。江戸時代後期の1782年(天明2)に摂津国池田庄から苗木を導入したのが栽培の始まりとされる。水はけの良い地質と温暖な気候を生かして培われた栽培技術により、色味や玉ぞろいなどの優れた外観と食味で知られ、高品質の贈答品としても人気が高い。
GIマークの表示により知的財産として保護され、ブランド価値の向上が見込まれるとともに、輸出時の海外でのブランド保護にも有効性が期待される。
紀の川市では、ちょうど桃の出荷時期を迎えており、生産者をはじめ関係者には喜びが広がり、認知度アップや販売促進への期待も高まっている。
同協議会では「今後、制度を活用し、さらなる地域ブランドの向上、発展に努めていきたい」とし、岸本周平知事は21日の定例記者会見で「(登録は)大変ありがたいこと。あら川の桃は、ライバルの山梨や岡山に比べると全国的なブランドの認知が足りないように思うので、GIを頂いたチャンスに、県を挙げてJAや農家、紀の川市と一緒に、積極的なPRをしていきたい」と話した。