小児まひの画家宮崎さん 県に作品4点寄贈
小児まひを抱えながら創作を続けている和歌山市の洋画家・宮崎幸子さん(71)が、県に自作の絵画4点を寄贈した。
宮崎さんは1952年、同市出身。生後すぐの発熱で小児まひとなるが、20代後半から、小指と薬指の間に筆を挟み、うつ伏せの姿勢で絵画制作を始めた。
83年に初の作品展を開催。95年を皮切りに、県美術展覧会(県展)で7回の入選を重ねている。98年、まひの悪化により制作を断念しそうになる危機があったが、卓上イーゼルを使い、仰向けの姿勢で制作する技法により活動を再開し、2000年には画文集「ありがとう」を出版。小中学校などで講演し、夢と希望の大切さを伝える活動も続けている。
今回の寄贈作品は、満開の花を描いた「クレマチス」、アジサイの花瓶のそばをチョウが舞う「花と蝶」、ヒマワリの大輪に囲まれた人物を描いた「夏の少女」、雪の中を子馬が力強く走る「春をまちきれず」の4点。やわらかく、温かな筆遣いで、題材の生き生きとした姿が表現されている。
寄贈式は県庁の障害福祉課で行われ、職員が宮崎さんを歓迎。高橋博之福祉保健政策局長は、希望を届けてきた宮崎さんの活動をたたえ、感謝状を贈った。
宮崎さんは「感謝状を頂くとは思っておらず、喜んでいただけて幸せ。和歌山の多くの人に見ていただけたらうれしい」と話した。
寄贈された作品は1カ月程度、県庁北別館2階の県庁ギャラリーで展示されている。