みどりの地産地消 10日県文でシンポジウム
わかやま地域植物緑化研究会(谷垣和伸会長)は、11月10日午後2時45分から、和歌山市小松原通の県民文化会館5階大会議室でシンポジウム「和歌山から みどりの地産地消を」を開く。
同会は、地域性植物によるのり面緑化により、県における地域生態系の保全と生物多様性の保全に寄与することを目的とし、2013年に和歌山大学、のり面緑化に関するコンサルタント、工事業者、資材開発・販売業者などが集結して活動を開始。
公共工事の切土工事などで削り取られた裸地斜面では、緑化工による自然回復が行われるが、一般的には輸入した外来草本種子が用いられる。外来草本植物は生態系への影響が指摘されており、またニホンジカが好む餌植物であることから、緑化斜面がニホンジカの餌場となるばかりでなく、斜面の侵食・崩壊の危険性につながるという。
同会では解決法として、県内に自生する在来種の種子を用いることが地域の生態系を守り、ニホンジカ対策になると考え、地元のススキやチカラシバなどの種を採り、効率的な採取方法や安定的な発芽、定着するための研究を行っている。
今回は、第1部で自然や動植物に造詣が深く、県土づくりを指揮してきた仁坂吉伸前知事が「和歌山の自然と外来種」を演題に基調講演。第2部のシンポジウムでは、同会メンバーの和歌山大学食農総合研究教育センター客員教授の湯崎真梨子さんがコーディネーターを務め、パネリストとして、同会会長で㈱タニガキ建工の谷垣代表取締役、和歌山大学システム工学部の中島敦司教授、斜面緑化コンサルタント会社のSPTEC・YAMADAの山田守代表、和歌山研究会代表の仁坂前知事が、同緑化研究会の研究成果を踏まえて議論する。
同会は広く参加を呼びかけており、特に防災・公共工事・環境分野・農林業・地域再生に携わる人を募っている。
申し込みは、3日までにメールでタニガキ建工の川中さん(kinokawa@k-tanigaki.co.jp)か、参加申し込みフォームから。問い合わせもメールで川中さんまで。