地元の魅力を再発見 西浜中校区内ウォーク
自分たちの住む地域を再発見してもらおうと、和歌山市西小二里の西浜中学校PTA(成瀬裕之会長)は3日、校区内ウオークを開き、生徒や保護者合わせて48人が参加。地元への理解を深めた。
新型コロナの影響で毎年1回行ってきた日帰りバス旅行ができなくなり、コロナ禍でも楽しめるイベントとして企画し、ことしで4回目。同校には雑賀、高松、雑賀崎の3小学校区があり、今回は雑賀崎を散策。斜面に家々が密集し、古くからの狭い路地と階段が複雑に入り組んでいるまちを歩いた。
スタートは紀の川の南岸の西浜に築かれた、南北約1㌔に及ぶ江戸時代の堤防跡「水軒堤防」。旧雑賀崎小学校跡地にことし3月誕生した、雑賀崎の街並みが一望できる「レモンの丘公園」を通り、さんまの灰干しを作る㈲中井水産「さんまや」の製造現場を見学。
1962年創業の同店では毎朝2000匹のさんまを手作業で開き、たるで塩漬け。1匹ずつセロハンで巻き、さんまの上に不織布をかぶせ、灰を敷き詰め、約5時間かけて乾燥させ、仕上げる。参加者は丁寧に素早くさんまをさばく様子に驚きの声を上げ、こつや使っている道具について質問していた。
参加者は谷口陽一社長(51)からさんまの灰干しと、同地区に昔から伝わるよもぎ団子「おおやさ」をお土産にもらい、雑賀崎灯台へ。眼前に広がる紀伊水道、淡路島、遥か四国の眺望を楽しみ、雑賀崎漁港近くの地元食材を使ったレストラン「青天の洞窟」でランチを堪能した。
参加した宮井友菜さん(12)と、濱田朋さん(13)は「坂道がしんどかったけど眺めがきれい」、松本和佳奈さん(13)は「レモンの丘に初めて行ったら海の景色がすごく良かった」と笑顔。
成瀬会長(51)は「普段車で通る道でも、歩いてみると坂道が大変とか、ここは横断歩道がないと危ないとか、気付くことがたくさんあり、保護者同士も交流できたし、地元の再発見もできて楽しめた。今後は他の中学校からの参加も可能にするなど考え、続けていきたい」と話した。