笑顔は満開に 箕島高83歳、お花見同窓会

和歌山県立箕島高校(有田市)1959年卒業の第11期同窓会が23日、和歌山電鐵貴志川線の1車両を借り切って開かれた。近畿を中心に28人が集まり、和歌山駅から貴志駅までの30分間、歌や会話を楽しみながら久しぶりの再会を懐かしんだ。

年に1度集まり、同窓会を行ってきたがコロナ禍で3年間中止に。昨年12月、4年ぶりに42人が集まった。そこで「春にみんなで花見がしたい」と話し合い、再び会うことを約束。メンバーは83歳。足腰が弱い人も楽しめるよう、フラットな場所であまり歩かずに桜を楽しめるよう企画した。当初は4月に開催を予定していたが、開花予想に合わせて早めたものの、この日は桜はまだ咲かず肌寒く、あいにくの雨に幹事らはため息。

ホームでは54年にヒットした曲「高原列車は行く」を流し、幹事らが同窓生を出迎えた。当時の写真が付いた名札を渡すと、みんなが「懐かしい」と笑顔だった。

午前11時に電車は出発。幹事の井上煕文さんは「桜はまだつぼみ。皆さんもつぼみの時代を思い出して楽しみましょう」とあいさつ。池田直さんは「83歳のお花がたくさん来てくれています。その笑顔を見るのが花見です」とにっこり。竹中功さんは「昨日はうれしくて眠れなかった。今回で最後になるかもしれないが、大いにはしゃいで楽しみましょう」と車内を盛り上げた。

フルート奏者・竹内愉美子さんの伴奏に合わせ、校歌、「高原列車は行く」、「高校3年生」、などを合唱。少年、少女に戻り、思い出話に花を咲かせた。

貴志駅に到着すると、ウルトラ駅長のニタマにあいさつし、記念撮影。紀の川市の花田屋大池遊園に移動し、食事を楽しんだ。

有田川町の硲巳代子さんは「この日を待ちに待っていた。長生きしたから元気なみんなと会えた。きょうはすごくうれしい」と満面の笑み。有田市の家本静美さんは「人生の始まりにみんなと会って別れ、人生の終わりにまた会えるなんて感動的」と時を惜しむように皆と話し続けていた。

 

懐かしの歌を合唱する同窓生