義援金は一律10万円 スムーズな配分優先

 日赤など、 義援金受付団体の代表者ら7人で構成する台風12号災害義援金の第1回配分委員会(会長=此松昌彦和歌山大学防災研究教育センター長)が15日、県庁で開かれ、第一次配分の方法が「死者や行方不明者一人当たりと、住宅全壊、住宅半壊が一戸当たり10万円」と決まった。来週中にも被災市町村へ配分され、早ければ今月中に被災者に届く。

 会議の冒頭、此松会長は「明治以来の大水害で本当に大変な状況。義援金を少しでも早く手渡せるよう努力したい」とあいさつ。

 事務局の県福祉保健総務課は「東日本大震災の時、全壊と半壊で義援金の設定を変えたため被災住民の手に渡るのが滞った」とし、阪神淡路大震災の配分例を参考にして、「死者や行方不明者一人当たりと、住宅全壊、住宅半壊が一戸当たり10万円」とする一律額の配分案を提案。 委員からは、「被害度合いによって金額を変えるべき」などの意見があったが、スムーズに被災住民に届けることを優先し、最終的に事務局案に決定した。

 県内の受付団体に寄せられた義援金は、14日午後3時現在、2937万7673円。台風12号の被害状況は14日午後3時現在、死者46人、行方不明者12人、住宅全壊146戸、半壊56戸となっており、一律10万円で換算すると、第一次で約2600万円を被災市町村を通じて被災者世帯へ配分される予定。義援金の申請は原則、り災証明書が必要になる。