小学校に生徒指導専任教員 市教委が県教委に要望へ
和歌山市教育委員会の大江嘉幸教育長は15日、 開会中の市議会本会議で、 市立小学校への生徒指導専任教員の配置について 「必要性を強く感じている。 県教委に教員の加配を要望し、 (必要な教員を) 獲得した上で、 大規模校や課題の大きい小学校に配置できるようにしたい」 と述べた。 上田康二議員 (絆クラブ) の一般質問に答えた。
教職員課によると、 暴力行為や家出など、 特に高学年児童の問題行動は年々増加傾向。 校内での暴力行為に関する全国の統計では平成18年度は3494件だったが、 同22年度は6444件まで増えた。 県内でも同様の傾向で、 同年度は604件、 うち市内は303件と県内の半数を占める状況だ。
市立中学校の場合、 「18学級以上、 もしくは16~17学級450人以上」 の学校に生徒指導専任教員を配置。 小規模校でも授業を持ちながら生徒指導に当たる 「見なし教員」 がいる。 ただ、 小学校と違い中学校は教科担任制のため教員数が小学校より多く、 生徒指導に対応しやすい環境。 生徒指導専任教員を設置している小学校は全国的にもほとんどなく、 珍しいという。
しかし、 教員の人事権は県教委が持っているため、 市教委が単独で生徒指導専任教員を配置することはできない。 そのため、 大江教育長は 「加配教員を確保するため、 要望文書に重要事項として盛り込む。 要望書に基づき、 県教委のヒアリングでも必要性を説明したい」と述べた。
またこの日、 大江教育長は、 小学校での教科担任制の実現に向けて、 小中学校の教職員や有識者などで組織するプロジェクトチームを立ち上げ、 「指導方法や指導計画などを作成し、 研究指定校で試行的に取り組んでいきたい」 と明言した。