情報発信力の向上へ 紀の川市が職員研修
和歌山県の紀の川市は庁内全体で情報発信力の向上を図ろうと、16日、市役所で各課の所属長ら49人に研修を開いた。全国の自治体の広報支援などを行うPRDESIGN JAPAN㈱(埼玉県三芳町)の佐久間智之代表取締役(47)が講師を務め、情報が相手に伝わるための工夫などを紹介した。
広報紙の充実などでより効果的で効率的な情報発信を目指し、市が本年度取り組んでいる「自治体広報アドバイザー事業」の一環で初の研修。佐久間代表取締役は三芳町の職員として18年間勤め、全国広報コンクールで内閣総理大臣賞に選ばれた経歴を持つ。
研修で参加者は2人一組となり相手に自分の好きなものを伝えるワークを通して、「伝える」と「伝わる」の違いを体感。佐久間代表取締役は、広報では市の伝えたい情報でなく、市民の知りたいことを分かりやすく伝える必要があると説明した。
伝えるためには簡潔な見出しや分かりやすい文章など工夫が必要と話し、適切に情報を伝えることで窓口や電話で改めて説明する手間を省くこともでき、住民サービスの向上とともに業務の効率化につながると紹介した。
「何を、誰に、どうやって」伝えるのかが大切とも話し、広報紙やホームページ、有料の広告、ラインやユー・チューブといったSNSなどさまざまな媒体も紹介した。
近年はインターネットの利用者が増えていることや、年代によって利用するSNSに傾向があることなども説明し「伝わるための工夫をすることが広報の役割」と言及。「皆さんの業務改善、住民サービスとワークライフバランスの向上につなげてほしい」と呼びかけ、「行政が積極的に情報を発信し、市に愛着を持つ人を増やしてほしい」と話した。
参加した地域創生課長は「ターゲットに合った発信方法が大切と感じた。日頃から情報発信の多い課なので、課のみんなで伝える方法を相談したい」と話していた。
市は秋ごろ、報道発表資料の作成方法などを学ぶ研修も開く予定としている。