日本一“おかしな”駅弁 最終案が決定

8月28日にはオンラインで企画会議があった
8月28日にはオンラインで企画会議があった

和歌山電鐵貴志川線に名物をつくり、路線の活性化を図ろうと、和歌山信愛女子短期大学(和歌山市相坂、森田登志子学長)の2年生が、昨年度から紀の川市、和歌山電鐵㈱と共同で取り組む「日本一“おかしな”駅弁」と銘打ったスイーツを開発。市はことし5月24日、開発したスイーツを返礼品とした行政版クラウドファンディング(CF)の受け付けを開始。以降、学生らは8月28日までに3回の企画会議を重ね、スイーツや外箱のデザインなど最終案を決めた。

同短期大学と市は2023年8月7日に締結した包括連携協定に基づき昨年度、集中講義を開講。10人の学生が全5日間の講義の中で同社の「日本一の○○をつくる」というテーマのもとで学習し、「日本一“おかしな”駅弁」を提案した。「おかし」は意外性(おかしい)、市の特産品である果物(お果子)、スイーツ(お菓子)の意味を掛け合わせている。

学生は本年度、実現に向けて授業外で活動を継続し、市と同社も引き続き協力。年内に市内で菓子店を開業するKiiKa(キイカ)の山野裕代さん(30)がスイーツを作り、御坊市のデザイナー、森本篤史さん(42)が同封するお品書きと外箱のデザインを描く。

返礼品は3層のフルーツタルト。当初は表面の層に、鶏そぼろ風のココア味と炒り卵風のレモン味のクッキーを使った2食弁当風としていたが、会議を通して、箱を開けた時にわくわくしてもらいたいとの思いから「さくらでんぶ」をイメージしたイチゴ味のピンク色のクッキーを追加。砂糖菓子の花も添えて華やかな見た目にし、返礼品名を「日本一“おかしな”駅弁(鶏そぼろと炒り卵とさくらでんぶの3色弁当風フルーツタルト)」とした。お品書きは学生の手書きを基に、使用した果物などを記している。

学生の井上由衣さん(35)は「和気あいあいとした雰囲気の中でしっかりと案が固まった。ここまで来られたのはみんなで頑張った成果でうれしい」と笑顔。同社営業企画課の竹添善文課長(48)は「沿線にいる皆さんが主体で貴志川線を盛り上げるためにいろいろと考えてくれてありがたい」と話していた。


タルトに市産果物6種 タルトに市産果物6種

行政版クラウドファンディングは二つのサイトと市地域創生課の窓口で受け付けてきた。JALふるさとクラウドファンディングと同課窓口では22日までを予定している。8月28日現在、46人から計47万8000円の寄付があった。寄付金は試作品や梱包品の開発費用に使われる。11月以降、発送を始める。

「日本一“おかしな”駅弁」は縦9・8㌢、横11・6㌢、厚さ2・2㌢の箱の中に、3層で作られている。アーモンド生地の中間層には市産のキウイ、ハッサク、イチゴ、カキ、イチジク、モモを使用。底の層はタルト生地になっている。

同社は今後、商品化に取り組むとしている。

日本一“おかしな”駅弁の最終案(紀の川市提供)
日本一“おかしな”駅弁の最終案(紀の川市提供)