食の安全へ「ラフル」設立 つながる場を提供

ラフルのメンバーら(ラフル提供)
ラフルのメンバーら(ラフル提供)

子どもや家族に安全な食を提案し、健やかな生活を支援したいと、食の安全と生活向上普及促進支援協会「ラフル」(横山まりこ代表)が設立された。食や子育て、社会福祉、健康づくりなどに携わり、和歌山市を中心に活動する30~60代の女性ら10人で構成。専門知識を集結し、子育てや生活に不安を持つ家族に情報を発信、家族らがつながる場を提供する。

同団体マネージャーで、子どものデジタル依存の解消に取り組む学習塾経営者の長洲有紀子さん(56)が、長年塾を経営しながら、発達障害や学習意欲が低下する子どもたちが年々増加する現実に直面し、さまざまな論文から、食生活が子どもに与える影響に着目した。

「栄養の高い米と有機野菜を取り入れた食事の大切さを広めたい」と、知り合いの管理栄養士に声をかけ、さらに野菜ソムリエ、子どものアレルギーをきっかけに有機食材を使う給食の啓発活動をしていた元保育士らがつながった。他にも、社会福祉施設の経営者、発酵食の料理家、助産師など多岐にわたる業種のメンバーらが、「子どもが健やかに育ち、家族が安心して暮らせる社会を築きたい」という同じ思いで集結。月に1度、勉強会を開き、情報発信のイベント開催に向けて取り組んでいる。

「まもる、育む、つながる」をモットーに、「LOVE(ラブ=愛)」、「LAUGH(ラフ=笑う)」の言葉を組み合わせ「ラフル」と名付けた。

8月下旬にフリースペース「T-LABO」(ティーラボ、同市美園町)で開かれた決起会と試食会には、乳幼児50人と親など計116人が参加。メンバーらが設立の経緯や活動内容を説明した。独自の精米技術により一般的な白米よりも栄養とうまみが多い、東洋ライス㈱(同市黒田)提供の「金芽米」で作ったおにぎりや、発酵食の料理家らが作った漬物や金山寺みそ、有機野菜のみそ汁を無料で提供。参加者からは、「とてもおいしい」「農薬について考えたことがなかったが、自分でも考えたい」「健康に過ごすため一人ひとりの意識が上がり、それが当たり前になったらいい」などの意見が聞かれた。試食も好評で、子どもらもみそ汁の最後の一滴まで飲み干し、完食したという。

同団体は、今後もシンポジウムや有機野菜のマルシェを計画しており、来年春に「キッズフェスティバル」を予定している。長洲さんは「暮らしと心の安全を主婦レベルで知恵を出し合い、これからも取り組んでいきたい」と意気込んでいる。