バス停前に憩いのベンチ 玉津島神社に寄贈

玉津島神社に寄贈されたベンチと(左から)遠北さん、北畑達哉さん、充香さん、森下さん
玉津島神社に寄贈されたベンチと(左から)遠北さん、北畑達哉さん、充香さん、森下さん

和歌の神様を祭る玉津島神社(和歌山市和歌浦中、遠北明彦宮司)に、地域住民の北畑達哉さん(64)・充香さん(51)夫妻がベンチを寄贈した。

同神社は万葉の時代から歌人たちが憧れてきた「和歌の聖地」であり、日本遺産の景勝地・和歌の浦の名所として観光客も増えている。

境内にベンチは複数あるが、道路に面したバス停「玉津島神社前」では、大きな荷物を手にした観光客、立ったままバスを待つ地元の高齢者、バス停近くの石畳などに座り込んで待つ人などを見かけることから、北畑さん夫妻は「バス停を使う人も多くなっており、何とかできないかと思った」と、バス停に隣接する神社の敷地内に設置する新たなベンチの寄贈を思い立った。

9月30日、長さ1・8㍍、背もたれに「聖武天皇 玉津島行幸1300年記念」と記したプレートが取り付けられたベンチがバス停前に設置された。北畑さん夫妻、ベンチの組み立てや運搬を担当した夫妻の義弟・森下洋次さんが同神社を訪れ、権禰宜の遠北喜美代さんが拝殿で神事を行い、ベンチの奉納を神前に報告した。

遠北さんは「参拝される方のことを思い、寄贈していただき本当にありがたい。使う皆さんの喜ばれる顔が思い浮かぶ」と感謝。北畑さん夫妻は「和歌浦を歩いて回る人、バスに乗る人、休憩する人、皆さんに使ってもらえたらうれしい」と話している。