矯正行政への理解を 和歌山刑務所で展示販売
法務省が主唱する「社会を明るくする運動」の一環として、受刑者が刑務作業で制作した製品を展示販売する「和歌山矯正展」が5日、和歌山市加納の和歌山刑務所で始まった。受刑者が日々、刑務作業に励んで制作した革靴やかばん、エプロン、キッチン用品、洋服、折り紙などを展示販売し、来場した地域住民らが買い物や施設内見学、音楽イベント、飲食などを楽しんだ。6日まで。
ことしで34回目の開催で、広く矯正行政への理解を深めてもらい、犯罪や非行のない明るい社会を築こうと実施。この日は多くの人が見守る中、紀州雑賀鉄砲衆による火縄銃の発砲で開幕を告げた。 受刑者の生活や作業する場所を見学する「プリズンツアー」や、フランクフルトなどの飲食販売、警察車両の展示、音楽イベントなども行われた。プリズンツアーに参加した同市の岩川聖矢さん(27)は「思っていたよりもしっかりした設備や食事で驚いた。受刑者が社会復帰のために仕事をしているんだなと思った」と話した。
交際相手に頼まれて革靴を買いに来たという同市の鳴海安沙子さん(32)は「丈夫な靴を買えてうれしい。マスコットがいたり警察車両があったりして子どもが喜びそう」と笑顔。同刑務所の本田明仕看守長は「社会に出た受刑者たちが再犯しないため、受刑者の作業や生活など、矯正行政について理解を深めてほしい」と話していた。
6日は午前9時から午後3時まで。子ども和太鼓集団「和響」や、三田ヤングバンド(おやじバンド)の演奏や、キャサリンラビットのチアダンス、ハワイアンフラサークル・カパリリのハワイアンフラも披露される。