各界の功労たたえ 秋の褒章に県内6人

2024年秋の褒章受章者が3日に発令される。和歌山県関係の受章者は60~78歳の6人(男性4人、女性2人)。内訳は、各分野の業務に精励して模範となる人に贈られる黄綬が2人、公衆の利益や公共の事務に尽力した人に贈られる藍綬が4人。今月中・下旬に各省庁での伝達と拝謁があり、総務省、厚生労働省、消防庁関係の受章者は県庁で伝達を行う。

今回を含めた県内の受章者総数は、男性1009人、女性136人、3団体の計1148(黄綬510、藍綬627、緑綬5、紫綬6)となる。

晴れの受章者は次の皆さん。

【黄綬】信田憲一(61)日本製鉄㈱関西製鉄所製鋼部和歌山製鋼工場ビレット連鋳課課長、和歌山市松江▽鈴木啓司(60)和歌山測量㈱社長、和歌山市森小手穂

【藍綬】青木秀行(69)和歌山市消防団団長、同市友田町▽苅田一郎(78)保護司、橋本市高野口町向島▽橋本トシミ(77)保護司、岩出市岡田▽宮﨑公弥子(75)民生・児童委員、和歌山市福島


黄綬 和歌山測量㈱社長
鈴木啓司さん(60)
~和歌山市森小手穂~

「故郷を守る」使命胸に

受章には、「僕が一生懸命に取り組むことを支え続けてくれる皆さんのおかげ」と笑顔で話す。

桐蔭高校を卒業後、徳島大学工学部建設工学科に進学した。卒業後は地元の土木・建築工事会社に就職。7年7カ月、土木工事の現場監督を担当し、測量設計や施工管理の実務経験を重ねた。その後は、父が創業し業界でも草分け的存在として知られていた和歌山測量㈱に入社。2007年から社長を務める。 

台風12号の影響で土砂災害や河川の氾濫が発生し、多くの尊い命が奪われた2011年9月の紀伊半島大水害では、県測量設計業協会筆頭副会長として被害を目の当たりにした。「これを元に戻すのは無理なんじゃないかと思った」と振り返る。

同時にふるさとへの思いがあふれ「県の守り手である僕たちが和歌山を守らなければいけない」との思いを強くした。広大な被災箇所への対応や関係機関との複雑な調整に率先して取り組み、異例の早さでの復旧復興に貢献した。

仕事以外ではサッカーに情熱を抱き、県サッカー協会常務理事として活動。和歌山にJリーグチームが誕生することを夢見ている。