夢を追い続けて 海南高で地元経営者ら授業

夢について話す宇城さん
夢について話す宇城さん

和歌山県海南市大野中の県立海南高校(川久保尚志校長)で、地元企業の経営者らを講師に迎えた授業があり、1年生201人が仕事や生き方について考えた。

生徒たちに将来を描くきっかけにしてもらおうと、「夢のかたち」講座と題し、同校の総合的な探究の時間の授業の一環で2017年度から実施。海南納税協会が講師の派遣に協力した。

この日は4人の講師が来校し、紀美野町でジェラート専門店を営む宇城農家キミノーカの宇城哲志さん(50)は、「変化する社会で恐れず何度でもチャレンジすることの大切さ」をテーマに話した。

夢には、達成できる夢と追い続ける夢の二つがあり、「医者になる」「車を持つ」など、地位や具現化された達成できる夢よりも、「一人でも多くの患者を健康にする」「資格を生かして人生を豊かにする」など、追い続けていく目標を設定することの方が良いと話した。

また「これから社会に出て経験やチャレンジする機会が増えると成果が出て良いサイクルができる。それまでに、今できることとして、学校での授業や知識、教養を身に付けておくことが大切」と伝えた。

質問で、夢への挑戦に怖くなるときがあるという生徒に対しては「『これになりたい』より、『これに携わる仕事ができれば』など、夢の形を柔軟に広くすると怖い気持ちも少しは楽になる。見果てぬ夢を持とう」と伝えた。

この他、自動車販売店の㈱なかモーター自工の田中祥秀さんが「夢・ビジョンを持つ大切さ」、保険代理店㈱W.A.Oの丸尾宜延さんが「自分らしく生きること」、加藤和也税理士事務所の加藤和也さんが「税理士の仕事について」をテーマに話した。

講座を受けた榎本花音さん(15)は芸術系の夢があるといい、「夢は達成するものだと思っていたが、追い続ける夢もあるということが良い考えだなと思った。気持ちが軽くなった」と話していた。