目標値超えるPFAS 和歌山市の2カ所で検出

有害性が指摘されている有機フッ素化合物「PFAS」の一種、PFOSとPFOAが、和歌山市内2カ所の井戸水から国の暫定的な目標値を超えて検出された。市が20日に発表した。尾花正啓市長は23日の定例記者会見で、井戸水を利用する周辺の市民らに「飲用は避けてもらいたい」と呼びかけ、水道水については「暫定目標値を大幅に下回っており、安全だ」と述べた。

PFOSとPFOAは泡消火剤や金属メッキ処理剤など幅広い用途で使われてきたが、自然界で分解されにくく、近年は人や動物に対する毒性、蓄積性が指摘されている。

国はPFOSとPFOAの合計を1㍑あたり50㌨㌘とする暫定目標値を設定。市が11月に市内6カ所の井戸水を調査したところ、このうち園部で1㍑あたり62㌨㌘、加納で1㍑あたり99㌨㌘が検出された。

水道水について市は、市内3カ所の浄水場で年4回の調査を行い、さらに奈良県大淀町から和歌山市の紀の川大堰にかけての紀の川流域12カ所で原水の調査も実施し、いずれも暫定目標値を大幅に下回っている。