臨時情報への対応追加 和市地域防災計画修正へ

地域防災計画の修正について話す尾花市長
地域防災計画の修正について話す尾花市長

和歌山市は16日、能登半島地震や南海トラフ地震臨時情報の発表を踏まえ、市の地域防災計画、水防計画を修正することを明らかにした。避難所の環境改善、同臨時情報「巨大地震警戒」が発表された場合の対応方針などを盛り込む。30日に開く市防災会議で諮り、決定する。

国が昨年8月に発表した「巨大地震注意」の一段階上となる「巨大地震警戒」が発表された場合、津波避難困難地域では1週間の避難を呼びかけることになっているが、和歌山市は対象地域外で、具体的な対応の基準がないことを市は課題としていた。

今回の修正では、「巨大地震警戒」発表時の最初の1週間の対応として、耐震対策が完了していない市有施設28カ所の入場を制限すること、沿岸部の市有施設や海水浴場を閉鎖すること、漁業者や遊漁船に休業を呼びかけることなどを明記する。

市有施設の耐震対策は613カ所のうち95・4%で実施済み。未耐震施設のうち市民が日常的に訪れるのは和歌山城天守閣など数少なく、状況に応じた入場規制を検討する。沿岸部の公衆トイレなどは全面閉鎖とする。

能登半島地震の教訓を踏まえた修正では、災害関連死の増加が指摘されている一次避難所の環境改善に取り組むとし、避難所内のパーテーション(間仕切り)などに活用する段ボールの事業者、温かい食事の提供に役立つキッチンカーの事業者との連携強化などを盛り込む。

一方、県が同臨時情報発表時の県内の統一的な対応基準を1年程度かけて策定する方針であることから、策定された際は市の基準を再度見直すとしている。

尾花正啓市長は16日の定例記者会見で「南海トラフ地震臨時情報はいつ出てもおかしくないので、和歌山市としての対応を明確化しておきたい」と述べた。