災害時にセラピー犬派遣 和市とNPOが協定
和歌山市は3日、災害発生初期に行方不明者の捜索に当たる災害救助犬と、被災者の心の支援に活躍するセラピードッグの迅速な出動などについて、認定NPO法人日本レスキュー協会(兵庫県伊丹市、多田修理事長)と協力する協定を締結した。
同協会は、阪神・淡路大震災を契機に設立され、ことしで30年。災害救助犬やセラピードッグの育成・派遣などを主な活動内容とし、国際救助機関として災害時には国内外で広く活動しており、国内では東日本大震災や熊本地震、能登半島地震など、海外ではトルコや台湾などの災害被災地への派遣実績がある。
今回の協定では、南海トラフ地震をはじめ市内で大規模災害が発生した場合、同協会は市の要請に基づき、迅速な人命救助が求められる災害初期には災害救助犬による行方不明者の捜索に当たり、その後は、避難所などに同行避難した被災ペットの飼育支援、仮設住宅などでのセラピードッグによる被災者の心のケアなどを行う。ペットのいる家庭の災害への備えなど、平時からの取り組みにも協力していく。
締結式は市役所で行われ、同NPOから多田理事長やスタッフ、セラピードッグのハッピー号、みらい号が出席し、尾花正啓市長と多田理事長が協定書に署名した。
尾花市長は「協定を大変心強く思う。災害発生から72時間以内にいかに人命を助けるかが大切で、災害救助犬は大いに効果がある。被災者の心のケア、ペットの同行避難の課題もあり、被災者、ペットに寄り添っていきたい」と締結に感謝し、期待を寄せた。
多田理事長は「災害が起こったら一番に乗り込んで救助に当たり、一段落したら、仮設住宅などを訪問して癒やしの場をつくりたい。訓練して、お役に立てるよう頑張りたい」と話した。