母校の卒業生に似顔絵贈る 漫画家いわみさん

児童に思いを伝える漫画家のいわみさん
児童に思いを伝える漫画家のいわみさん

和歌山県海南市出身の漫画家、いわみせいじさん(64)が4日、出身校の黒江小学校(同市船尾・油谷正之校長)を卒業以来初めて訪れ、卒業を控えた6年生17人にそれぞれの似顔絵をプレゼントした。

いわみさんは、1981年に『まんがタイム』(芳文社)で入選しデビュー。漫画作品に『おーい!ダンくん』『和歌山さんちのハッサクくん』など単行本や新聞連載などがある。2019年度の大桑文化奨励賞に選ばれている。大阪市の天満天神繁盛亭などで似顔絵漫談や国内外で漫画ワークショップ、特別講義を行うなど幅広く活動しており、現在は大阪芸術大学で教授を務める。

今回、いわみさんが「母校の後輩と交流したい」と長年思い続けていたことから、黒江地区で開催されたイベントをきっかけに実現。漫画を描く授業も行い、給食も一緒に食べるなど、交流を深めた。

いわみさんは児童の顔を見ながら特徴を捉えると、色紙にさらさらとペンを走らせ、2分ほどで似顔絵を描き上げた。

漫画を描く授業では、児童らは紙に自分のオリジナルキャラクターを描き、さらに、そのキャラクターに表情をつけて立体的に描いていった。いわみさんは「いろんな向きから、悲しい、うれしいなど気持ちをのせて、工夫して表情を描いて」とアドバイス。

漫画家さながら締め切り時間を設け、小学生漫画家らは、横向きや上からなど、工夫を凝らして動きをつけ完成させた。男子児童は「ハートを横から立体的に描くのが難しかった。漫画家ってすごい」と話し、いわみさんは「好きなことを見つけて夢中になってほしい。知識も必要なので勉強も大事。両方頑張って」とメッセージを送った。

授業を終え、いわみさんは「在校生と交流する夢がかなった。時間の扉を開けてタイムスリップしたみたいな不思議な感覚だった。児童に教えているけれど、教室にいる間は児童に戻った気分。またここに戻ってこられるよう、漫画を頑張らないと」と笑顔だった。児童らは「こんなにすごい大先輩が黒江小学校出身と知って自慢に思う。とてもいい思い出になった」と話していた。