骨格で253億円 海南市25年度当初予算案

和歌山県の海南市は20日、2025年度当初予算案を発表した。4月に市長選を控えていることから、新規事業を抑えた骨格予算。一般会計は前年度比5・3%減の253億2895万5000円。一般会計に特別会計と企業会計を含めた予算総額は前年度比2・4%減の総額473億7131万円となった。27日開会の定例市議会に提案する。
主に市民防災公園の整備や災害対応、駅東整備などの予算配分となった。神出政巳市長は「少子高齢化や自然災害への対策、脱炭素・デジタル化社会への適応など、活力あるまちの未来を見据えながら『安全で安心』な『住みやすい』まちづくりに資する施策や事業に必要な予算を確保した」と述べた。
歳入では、個人市民税が本年度の定額減税の終了と給与所得などの増に伴い増収となり、市税全体で約68億円(前年度比4・8%増)。市債は、新中学校を建設する適正配置推進事業や消防庁舎等整備事業などの減により57・2%減の約16億円。
歳出では、扶助費が自立支援給付費や児童手当の増、定額減税補足給付金の皆増により10・4%増の約52億円など。
主な事業は、2026年4月に開園予定の市民防災公園の整備。総事業費は約20億で、本年度の当初予算は3億1353万2000円、24年度補正予算(3億円)と合わせて総額6億1353万2000円。
敷地がこれまでの1・5倍となり「遊びと安心」を備えた公園として、大災害時における防災関係機関の活動拠点や応急仮設住宅用地となる。公園内の大池の一部と内池を埋め立てる拡充整備や、老朽化が著しいわんぱく公園内の遊具と風の子館の改修、災害時の生きる知識が学べる体験学習館を新設する。神出市長は「いつ南海トラフ地震がくるか分からない。工事を進め、スムーズに開園を目指す」と話した。
豪雨災害への対応や防災対策推進事業も進め、浸水シミュレーションや雨水浸水想定区域図を作成する雨水公共下水道整備に2442万8000円。都市計画道路や公園の新設などの海南駅東土地区画整理に8億1639万1000円など、これまで継続している事業を進める。
新規・拡充事業
新規事業は、海南第三中学校の整備事業に2572万1000円。プールを撤去し、跡地を運動場の一部として使用、生徒が安全で快適な学校生活を送れるよう整備する。
拡充事業は、創業支援・店舗リフォーム補助に870万円。商店街などの都市機能誘導区域への飲食店の出店に対し、補助の拡充を行う。創業サポート事業補助金や空き店舗リフォーム補助金の上限を拡充する。
