城下の高速レースに興奮 クリテリウム初開催

大型連休最終日の6日、和歌山市のけやき大通りで、自転車の国際ロードレース「和歌山城クリテリウム2025」が初開催された。国内外の19チーム、110人の選手が出場し、県都のメインストリートを高速で駆け抜ける白熱のレースに、沿道は観戦の市民や自転車ファンらでにぎわった。
和歌山城クリテリウムはNPO法人スポーツプロデュース熊野(角口賀敏理事長)主催。和歌山、三重両県にまたがる熊野地域を舞台に同NPOが1999年から実施している国際自転車競技連合(UCI)公認の国際ロードレース「ツール・ド・熊野」(8~11日)の25回目を記念し、プレイベントとして実現。自転車を通じた地域活性化を和歌山市にも広げようと、市内の自転車を愛好する経営者らによる実行委員会(東徹実行委員長)が主管となって開催された。
クリテリウムとは市街地の短いコースを周回して行われるレース。和歌山城クリテリウムは、和歌山城ホール前をスタート地点に、三木町交差点から汀丁交差点までの区間を折り返す全長約1・5㌔を20周するコースで争われた。

実行委によると、180度のコーナー2カ所と直線の高速区間を組み合わせたコース設計は、選手たちの高い瞬発力が要求される。
和歌山城を望む絶好のロケーションの中、レースは密集した選手たちが最後まで先頭を争う展開となり、沿道の最前列では、選手たちが駆け抜けるたびに疾風が感じられ、観戦者は迫力とスピード感を全身で味わった。
ラヨヴィッチ・ドゥシャン選手(セルビア、ソリューション・テック・ヴィーニ・ファンティーニ)が40分3秒で和歌山城クリテリウムの初代王者となり、2位はエリオット・シュルツ選手(オーストラリア、ヴィクトワール広島)、3位はハッデン・ネイト選手(オーストラリア、セントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチーム)。定められた周回をトップで走った特別周回賞は、5周目が地元の宇賀隆貴選手(日本、キナンレーシングチーム)、10周目はキム・ユロ選手(韓国、LXサイクリングチーム)、15周目はレオネル・キンテロ選手(ベネズエラ、ヴィクトワール広島)が獲得した。
レース前には、けやき大通りで「おどるんや~紀州よさこい祭り~」による総踊りが行われた他、周辺にはキッチンカーなどの飲食や自転車関連のブースなどが並び、会場を盛り上げた。
東実行委員長は「和歌山城クリテリウムの機会に、自転車関係に限らず一人でも多く和歌山市に来てもらおうと、同じ志の人々とこの場に立つことができた。来年、再来年と続いて開催し、次の世代にバトンをつなげたい」と話した。