安全性や検査能力強化 県環境衛生研究センター

本年度開業した県環境衛生研究センター
本年度開業した県環境衛生研究センター

和歌山市砂山南の県環境衛生研究センターが、施設の建て替えと体制強化を経て、本年度から新たなスタートを切った。同センターは1911年に設立され、老朽化になどにより2023年3月から建て替え工事を進めていた。新施設では、感染症対策などの検査能力や安全性の機能を強化し、県民の健康と生活環境を守る中核機関としての役割をさらに担っていく。

報道陣に新たに導入したPFASを測定する最新の機器を紹介する職員
報道陣に新たに導入したPFASを測定する最新の機器を紹介する職員

同センターは、県民の健康と地域の生活環境を守るための試験研究機関。感染症や食中毒、食品中の農薬や添加物などを調査研究する「衛生部門」と、大気や水質など生活環境を調査研究する「環境部門」の2部門を設けており、科学的かつ技術的な支援を通じて県民生活を支えている。

敷地面積2743平方㍍、建築面積1105平方㍍。鉄筋コンクリート造り一部鉄骨造り。4階建て。新施設では、特定の病原体を扱う検査室を新設し、検査する機器や設備を充実させた。これにより、新型コロナウイルス検査は従来の一日280件から420件へと大幅に向上する。また、検査室を増やしたり機器を1フロアに集約したりすることで作業効率を改善。さらに、ウイルスと細菌の検査と、食品と環境分析を異なる階で実施することで、安全性とセキュリティーの強化を図った。
 13日に開かれた報道陣向けの見学会では、遺伝子検査とゲノム解析の作業効率を向上した「ウイルス遺伝子検査室」や、新たな分析機器を導入するとともに機器を1フロアに集約し迅速でより精度の高い分析が可能になった「分析機器室」などが公開された。
 村上毅所長は「立派な施設に生まれ変わった。職員一同、喜んでいるし、県民の皆さまの健康と快適な生活環境のため、より一層取り組んでいきたい」と話していた。