食べて知って訪れて 岩出・紀の川市が万博でPR

根来の子守唄の踊りに「ビューティフル」と声をかける外国人
根来の子守唄の踊りに「ビューティフル」と声をかける外国人

国内外に地域の魅力を発信しようと、岩出市、紀の川市、那賀振興局は17、18の両日、大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)で開催中の大阪・関西万博で、地元の特産品や観光名所などをPRした。

17日は、紀の川市が関西パビリオンの和歌山ゾーンで、世界で初めて全身麻酔による乳がん摘出手術に成功した同市出身の医聖・華岡青洲(1760~1835)の功績を紹介。青洲が使用していたメスやはさみなどの医療器具を展示し、道の駅「青洲の里」(同市西野山)の神徳政幸駅長と谷脇誠さんが、語り部として青洲の偉業を解説。市観光キャンペーンスタッフの廣橋杏夏さんが英語で通訳した。医師としてだけでなく、ひどい干ばつと年貢の取り立てに苦しむ農民を救うため、私財を投げ打ち「垣内池(かいといけ)」を造り地域住民の暮らしを豊かにしたことなどを伝えた。

華岡青洲の功績を伝える神徳駅長
華岡青洲の功績を伝える神徳駅長


同パビリオンに併設されている多目的エリアでは、地元フルーツを使った大福、あら川の桃の加工食品など特産品を販売。市観光キャンペーンスタッフの辻美咲さんらが、来場者に生産量・品質が日本でもトップクラスのフルーツ王国であることをPR。また、市内で飛行できるパラグライダーのバーチャル体験コーナーを設置。絶景の紀の川平野を見下ろす躍動感ある空の旅に、来場者は「きれい」と声を上げていた。東京から来た20代の男性は「紀の川は知っていたけど紀の川市のことは初めて聞いた。和歌山には梅干しだけじゃなく、こんなにおいしいフルーツがいっぱいあるんですね」とにっこり。多くの人でにぎわう会場を見た岸本健市長は「市政20周年を記念する年に日本や世界の人に市の魅力を知ってもらえてうれしい」と笑顔だった。

紀の川市の魅力をPR
紀の川市の魅力をPR


18日には、岩出市が「食べて飲んで感じて」をテーマにPR。同市の地酒「車坂」、「日本城」の試飲を行い、黒あわび茸を使った加工食品、高砂あられなどの特産品を販売した。

会場前では僧兵の衣装に身を包んだ根来鉄砲隊が勇ましく来場者を出迎え、衣装を着て写真撮影できる体験コーナーを設置。江戸時代から同市根来地域を中心に歌い継がれる「根来の子守唄」を同保存会の12~83歳のメンバー17人が歌い踊ると、外国人らから大きな拍手が送られた。

また、紀の川エリア観光サイクリング協議会が両市の美しい自然、サイクリングロードを紹介し、レンタサイクルしているスポーツタイプの折り畳み自転車「HORIZE」を展示。同地域の自転車旅の魅力を伝えた。

同市事業部の山下隼人次長は「岩出、根来のことを知ってもらい、心に刻まれるようグルメと歴史でPRした。たくさんの人がこれをきっかけに岩出を訪れてくれるとうれしい」と話していた。