世界の青少年が演奏 和歌山国際音楽祭

世界各地から音楽家や楽団が集い、異文化交流を繰り広げる「第1回和歌山国際音楽祭」が22、23日の午前9時~午後5時、和歌山市七番丁の和歌山城ホールで開かれる。22日は国内外の若い演奏家による国際音楽コンクール、23日はフィナーレを飾る国際交流コンサート。海外の青少年オーケストラや県内の中学・高校生らが出演し、世界の音色に包まれる2日間となる。
和歌山市や台湾の音楽関係者らによる和歌山音楽国際交流実行委員会が主催。
開催のきっかけは、同市観光発信人でサクソフォン奏者の岡なづきさんと台湾の著名な音楽教育家・指揮者の陳永展さんの出会い。2024年に東大阪市で開かれた国際音楽コンクールで2人が審査員を務めた際、陳さんから和歌山で音楽教育の交流をしたいとの話があり、デザイナーの中嶋千寿さんら有志の協力を得て実行委を立ち上げ、具体化していった。
音楽祭の出演者は日本、台湾、香港、中国・広州、アメリカ、マレーシア、シンガポールなどの各国・地域から600人以上。台湾では小学生から高度な音楽教育の課程が設けられ、陳さんが指導する教え子たちや、親交のある他地域の楽団も数多く出演者に加わっている。
コンクール、コンサートに先駆け、5~7月には台湾の小学生らが和歌山市や海南市、すさみ町、白浜町の学校を訪問し、児童・生徒に演奏を披露する交流プログラムを実施。同世代の演奏技術の高さに、驚きの声が多く寄せられた。
岡さんは「音楽教育自体が異文化で、小学生の子どもたちがバイオリンやチェロで高いレベルの合奏をしている。そんなステージをコンサートで和歌山の皆さんに見てもらい、異文化を実感してもらいたい」と話す。
23日の国際交流コンサートは大ホールで実施。入場無料。各地域の楽団によるクラシック演奏の他、和歌山から県立星林高校吹奏楽部、向陽中高吹奏楽部、りら創造芸術高校、和歌山市消防音楽隊が出演。県出身でシンガー・ソングライターの川島ケイジさんのステージもある。
22日の国際音楽コンクールは個人と合奏、年齢別の各部門があり、大小の両ホールが会場。無料で、演奏時を除き自由に入退場できる。
「音楽には国境がない。音楽を日常に取り入れ、皆が一緒に楽しめる場を和歌山につくっていきたい」と岡さん。今後も継続的な開催を目指し、和歌山で音楽教育・文化の国際化を推進し、次世代の国際人育成に寄与したいと願っている。