がん患者の在宅医療 那賀病院が公開講座

 公立那賀病院(近藤溪院長)は26日、岩出市荊本の市民総合体育館で「第17回那賀地区市民公開講座~がんになっても家で過ごすために~」を開いた。

 家での看取りを15年にわたり支援し続けている「さくらいクリニック」(兵庫県尼崎市)の桜井隆院長ら6人が、がん患者の在宅医療についてパネルディスカッションを行った。

 年4回開催している講座で、ことし1回目。約360人が参加した。那賀病院乳腺外科の谷野裕一科長が司会を務めた。

 在宅医療は、体調が悪化した場合に医者やナースが駆け付けるのに時間がかかるため不安が強い人もいるが、過ごしやすい環境で過ごすことで、宣告された余命よりも長く生きる人がいることなどが紹介された。さらに在宅医療がうまくいかなかった時は入院し直すことも可能であるなどの説明があった。

 また桜井院長は「大往生なんか、せんでもええやん!」と題して講演。人生の最後について「寝て次の日起きた時に死んでしまっているのもいいが、最後は家族らに見送られながら死ぬのもいい」とし、「残り時間を予測できるがんで死ぬのも悪くない」と語った。