「困っている人のために」 東洋精米社長が講演

 主に関西の企業など75社でつくる 「お客様満足研究会」 (枡田和則代表世話人) の平成24年度総会と10周年記念講演会が23日、 大阪市中央区の大阪薬業年金会館で開かれ、 会員ら約80人が参加。 ㈱東洋精米機製作所 (本社=和歌山市黒田) の雜賀慶二社長が 「生活視点の企業経営~存在意義ある会社を目指して50年~」 をテーマに、 自身の戦後から現在までの歩みや、 企業の社会に対する役割について講演した。

 雜賀社長は、 戦後の食料難の時代を 「わずか1、 2年の間だが、 私にとっては感受性が一番育った時期。 長い年月だったと思うくらい強烈に心に残っている」 と振り返った。 食料を調達するために、 ウナギなど捕獲する対象の立場に立った捕獲道具を考え出したことに触れ、 「人間必死になったら何でもできる。 知識よりも智恵が大切」 と話した。

 また、「自分が正しいと思うことは、 どんなことがあっても貫いてきた」とし、米の中に混じっている石を取り除くための「石抜機」や、 水質環境の改善のために考え出した「BG無洗米」、さらに人間の健康に着目し、 糠と白米の境にある栄養価の高い亜糊粉層(あこふんそう)を残した「金芽米」の開発までの経緯を話した。

 その上で 「人間が社会に出て何を目指して競争するのか。 真の競争とは、 困っている人のために何とか頑張ろうとすることだ。 社会の役に立つことを考えていれば、 企業の存在価値が生まれてくる」 と語った。