消防ホース筒先の盗難多発 那賀地方
紀の川、岩出両市などで、格納箱に保管されている消火栓ホースの先端部分に取り付ける「管鎗」(かんそう)と呼ばれる筒先の窃盗が相次ぎ、両市などは情報を求めている。両市合わせて約240本(23日現在)が盗まれており、被害は拡大する一方だ。
紀の川市危機管理消防課によると、格納箱は消火栓付近に設置されており、無施錠だという。市では対策として、犯行スピードを遅らせようと、通常はホースから取り外して保管する筒先を、付けた状態で保管している他、防災無線を使って市民に周知。防火団体や新聞配達販売店に情報提供を呼び掛けるなど、被害防止に努めている。
筒先の素材には種類があり、今回の犯行は主に真ちゅう製が対象となっている。同市が被害に気付いたのはことし1月、出初め式で打田方面隊の分団が格納箱の点検をした際に発覚した。その後、同課が周辺の格納箱を調べてみると、他にも4カ所で筒先が盗まれており、消防団長や幹部、各部長に格納箱の点検をするように通達。点検を終えた時点で、すでに75カ所の筒先が盗まれていたという。
その後3月末から4月には一時被害が収まったが、最近になって再発。これまでに約180本が盗まれている。岩出市でも3月に消防団員の連絡で発覚し、今月23日までに61本が盗まれた。
県警は「いざという時に必要で、命に関わる重大なこと。早期解決に努めたい」としている。