豪快に「のぼり上げ」 丹生狩場神社

 紀美野町毛原地区の丹生狩場神社(宗和重行宮司)でこのほど、20年に一度の遷宮祭があり、若衆と呼ばれる氏子の男性らが古くから続く奉納行事の「のぼり上げ」を行った。

 のぼり上げでは、のぼりを付けた長い棒が取り付けられた四角い台を28人の若衆が担ぎ、その上に音頭取りと呼ばれる化粧をした6人の若い男子が2人ずつ入れ替わりに乗って、動作の音頭を取ったり歌を歌う。

 「みなさんそろたらヤハレ~ めでためでたで始めましょうヨイトセー」の掛け声に始まり、「ほりあげ」の音頭では、それに合わせて若衆らが台を放り上げ、宙に浮かす豪快な様子に、集まった観客から歓声と拍手が起こった。

 神社の建物を修繕するのに合わせて行う遷宮祭は、中小規模の神社では行事の継承者不足などでほとんど行われなくなっているという。

 同神社では地元を離れた氏子も遷宮祭ののぼり上げのために約50人が集まり、1カ月前から週に1回程度の練習を重ねてきた。

 20年前ののぼり上げで音頭取りを務めたという坪井正幸さん(49)は「ことし音頭を取る子は20年後には若い子を指導してほしい」と話していた。

 今回の音頭取りのリーダーとなった新谷聖也さん(23)は「前回の映像を見たり、経験者の記憶をすり合わせたりして探り探りでやってきた。形になってよかった」と笑顔で語った。

豪快なのぼり上げ

豪快なのぼり上げ