下水道を止めずに更新 SPR工法研修
和歌山市建設局下水道部の職員研修が10月31日、和歌山城西の丸広場であり、下水を止めずに下水道管工事が施せるなどの特徴がある管路更生工法「SPR工法」について、デモ施工を通して理解を深めた。
SPR工法とは、下水道管の内側に硬質塩化ビニル材製の帯「プロファイル」をスパイラル状に張り巡らせながら製管し、管を復元、補強する施工法。全自動の機械で行うため止水をせずに施工ができること、プロファイルは柔軟性があるため、円形、長方形などさまざまな形の管に対応できるといった特徴がある。
研修には日本SPR工法協会関西支部(有馬章次支部長)が協力。人が入れない大きさの管でも施工できる「小口径用」と、管の大きさや形にかかわらず施工が可能な「自由断面用」のSPR工法が見学できるデモ施工車2台が用意された。
デモ施工車によるSPR工法のデモ施工は一昨年から全国各地で行われており、和歌山では初。研修には、市下水道部の職員ら約40人が出席し、坂本真吾部長が「和歌山市の下水道管を考えないといけない。しっかり勉強して、今後の発展に役立てたい」と話した。
小口径対応の「SPRホワイト号」のデモ施工では、口径30㌢のアクリルの管で製管実演が行われ、職員らは管の内側にプロファイルが隙間なく巻き付けられていく様子などを見学した。研修を通して、有馬支部長は「下水道管が老朽化して、道路が陥没する可能性もあります。下水道管の現状を早期に把握し、耐震などの対策を考えてほしいですね」と話していた。