【AR】厳粛、壮麗に閉幕 高野山開創1200年法会
高野山開創1200年記念大法会を締めくくる「結願(けちがん)法会」が21日、高野町の壇上伽藍の金堂で厳かに営まれた。前日に高野山入りされた秋篠宮ご夫妻も臨席され、詰め掛けた大勢の参拝者が見守る中、50日間にわたって絢爛(けんらん)壮麗に執り行われた大法会は幕を下ろした。
結願法会は午後2時半から約1時間にわたって実施。高野山真言宗の中西啓寶(けいほう)座主ら、きらびやかな衣装をまとった僧の列が、人垣の間を金堂へと進んだ。
秋篠宮ご夫妻も同宗の高岡隆真(りゅうしん)総務課長の案内で蓮池の朱色の橋を渡られ、大法会に合わせて172年ぶりに再建された中門をくぐって金堂に入られた。
金堂周辺には、ほら貝の音色や経を唱える声が響きわたった。法会の模様は屋外モニターに映し出され、人々は手を合わせ、静かにその様子を見守っていた。
法会の最後に当たり、秋篠宮さまは「この記念すべき大法会の結願に当たり、大師の願いが現在も忘れられることなく人々の心の中に生き続けていることに敬意を表するとともに、その教えが広く理解と共感を得て、世界の平和と人々の安寧のために寄与することを願います」と述べられた。
大法会の全日程を無事に終え、同宗の添田隆昭(りゅうしょう)宗務総長は「たくさんの人の注目を浴びたこの機会を逃さず、高野山真言宗の教え、弘法大師の人となりを発信する一つのステップとして、次の1300年の大法会のときも同じようにたくさんの人にお越しいただけますよう、精進を続けてまいりたい」と話した。
大法会は、弘法大師空海(774~835)が高野山に密教の道場を開いてから、ことしで1200年を迎えることから、大師の遺産への感謝を込めて開催。「生かせ いのち 大師のみおしえ いまここに」をテーマに、数々の法会や秘仏の開帳、展示会などが催された。